おはようございます、よりよりです。
去年の2021年3月、柏島(高知県大月町)で起きた女性ダイバーが死亡し
ダイビングショップ経営者と引率したインストラクター2名が書類送検された事件について
知り合いの現地インストラクターに確認したことをお伝えします。
まずは事件のニュース記事はコチラ!
去年3月、大月町の海でダイビング客が死亡した事故で潜水士免許がないまま引率業務を行ったとして男2人が書類送検されました。
去年3月大月町の海でダイビングをしていた大阪の30代の女性が死亡しました。警察はダイビングショップを経営する幡多郡の46歳の男と、女性を引率した土佐清水市の28歳の男を労働安全衛生法違反と業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
ダイビング客に対し28歳の男は潜水士免許がないまま引率業務を行い、経営者の男は予備の呼吸装置がない機材を貸し出し死亡させた疑いがもたれています。
はじめに
女性が死亡しているので、個人が特定できるような詳細は控えさせて頂きますが
報道されている情報プラスアルファお伝えできる範囲内で記事にします。
事故はいつ、どこで起きた?
2021年3月20日午前11時20分頃、ボートでのファンダイビング中。
日本でも有数のダイビング スポットの1つでもある柏島(高知県大月町)。
高知県幡多郡大月町安満地沖、雲が辻公園近くで岸から約10メートルの海底。
事故の概要
事故当時、引率したインストラクター(土佐清水市28歳)は1人で4人を引率。
午前9時からダイビング を開始し、1本目終了後ボートに戻り、タンクを交換。
午前11時10分すぎから2本目を開始。
担当したインストラクターは、潜降した2人と海中を移動していて
死亡した女性ともう1人の女性客が約20メートル離れていた。
死亡した女性ともう1人の女性客とが離れ離れになり、水中を捜索したところ
水深約20メートルの海底で横向きになっている女性を発見。
すぐに引き上げ、病院に搬送したが死亡が確認された。
3月の柏島の透明度について
潜る場所や天候、海況にもよりますが、この時期の柏島の透明度は10〜15m程度。
インストラクターから死亡した女性までの距離は約20メートル。
ニュース報道でもあったように、インストラクターは女性の動きを注視せず
漫然と水中を移動するなどして、ついて来ていることすら気づかなかったとのことでした。
死亡した女性ダイバーについて
大阪府枚方市甲斐田町の地方公務員(31)
死亡した女性含めて3名でファンダイビング のツアーに参加していた。
経験本数は少なく、レンタル器材を使用していた。
予備の呼吸装備について
スキューバダイビングでは必須の水中での呼吸する器材のことをレギュレーター(略してレギュ)
と呼びますが、オクトパスと呼ばれる予備の空気源(略してオクト、もしくは予備レギュ)が
あります。
一般的にはレギュレーターの方が黒色、オクトパスの方が黄色になっていますが
BCDと一体型のオクトパスもあります。
オクトパスはレギュレーターと比べて安価で、レギュより吸いが渋いので
あえてレギュレーターを2本つけ、ホースで色分けしてる方もいらっしゃいます。
なぜ、予備の空気源がついているかというと
タンクの空気残圧が少なくなった仲間に自分の空気を与えるためと
ご自身のレギュレーターが故障した場合に使用するためです。
レンタル器材に予備の空気装備がついていなかった件について
多くのスキューバダイビング サービスのレンタル器材には予備の空気源(オクトパス)が
ついています。
私が働いていたショップもレンタル器材には全て黄色のオクトパスがついていました。
今回、事故を起こしたショップはもちろん、一定数のダイビングショップのレンタル器材には
予備の空気源がついていないのが現状です。
またゲージも残圧計のみで深度計やコンパスがついていないレンタル器材も多く見られます。
引率したインストラクターが潜水士の資格を持っていなかった件について
「労働安全衛生法」及び「労働安全衛生法施行令」で
「潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて
水中において行う業務」を行なうには、「潜水士免許」を持ったものでなければ
業務に就かせてはならないと規定されています。
最大手のスキューバダイビング団体でもあるPADIのホームページにもそう記載されています。
書類送検されたダイビングショップの経営者は、「法で定められていることを知らなかった」
と供述しているとのことで、スキューバダイビング団体の指導のあり方にまで波紋が広がりそうです。
潜水士の国家資格は難しい?
僕はPADIの元インストラクターで潜水士の資格も持っていますが
潜水士の資格より、PADIのインストラクターの試験の方が何倍も難しいです。
理由はイントラの試験は実技試験やプレゼンテーションがあること。
また、アップデートが頻繁に行われるので、常に最新の情報を習得する必要があります。
一方、国家資格でもある潜水士の試験は筆記試験のみ。
それも一昔前のデータなので、最新のものである必要はなく
無料でダウンロードできる潜水士の過去問を覚えるまで徹底的にやれば受かります。
僕も実際これで受かりました。
事故を起こしたショップはどこ?インストラクターは誰?
名誉毀損にあたる可能性があるので、どことははっきり言えませんが
この記事を見ていただく限り、およそ想像はつくかと思います。
今現在も事故を起こしたダイビングショップは営業していますが
引率した28才の男性インストラクターは事故を起こした2ヶ月後の2021年5月、退職しており
今現在はスキューバダイビングの仕事には就いていないとのことです。
また、男性インストラクターは地元出身で、ダイビングのインストラクターになる前提で
そのダイビングショップに就職し、ノンダイバーからガイドインストラクターになったとのこと。
インストラクターの資格を取って2〜3年程度のまだ駆け出しのガイドとのことでした。
ちなみに、そのダイビングショップの当時のブログを確認しましたが
事故後、数日更新していないだけで、公式見解や謝罪などの文面はありませんでした。
柏島で起きた体験ダイビング中に女性が溺れ死亡した事故との関連は?
以前、コチラで柏島での福島県の50代の女性が体験ダイビング中に死亡した件
について記事にしました。
この記事を書いた段階では、2021年3月に起きた死亡事故の件を知らなかったので
同じインストラクターの立場から、一部擁護した内容を書きましたが
同じショップであったという衝撃的な事実が判明しました。
担当したのはまた別のインストラクターでしたが
今回の事故が起きたわずか4ヶ月後にまた死亡事故を起こしています。
この時のショップログやスタッフブログを調べてみましたが
今回と同様、死亡事故についての謝罪文や経緯などについての記載は一切ありませんでした。
むしろ何事もなかったように、「久しぶりの更新です」といった内容でした。
ダイビングショップの評判は?
ダイバーの泡が出ている(水中で他の方がダイビング中)にも関わらず
ボートのアンカーを落としてゲストに接触し、トラブルになったことがあるとの証言を得ました。
そういった点も含めて、業界ではあまりいい印象を持っていないとのことでした。
普段から安全面に対する配慮が欠けていた可能性があります。
書類送検されたのは法人と経営者、引率したインストラクター
高知県警宿毛署は2022年1月7日
ダイビングショップを経営する男性(46)と当日引率していたインストラクター(28)を
業務上過失致死の疑いで
法人として労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
ダイビングでの死亡事故において書類送検になるのは異例。
わずか4ヶ月間で死亡事故が2件続いたこと、家宅捜索した際に悪質さが判明したことなど
が挙げられるかもしれません。
起訴、不起訴になるかは早ければ2ヶ月後の3月中。
新型コロナウイルスの新規陽性者が増えてる現状、もう少し時間がかかる可能性が高いです。
まとめ
今回の事故は明らかに人為的なミスであり、客観的に見ても反省が見られず
再発防止に努めている様子も見られません。
1度でも死亡事故を起こすのはありえないのですが、4ヶ月という短期間で2回も死亡事故を
起こしたにも関わらず、未だダイビングショップを運営していることに正直驚きを隠せません。
私は今現在、スキューバダイビングのインストラクターは辞めていますが
どちらかというとインストラクター寄りの立場で、一部擁護した記事も書きました。
ですが、こういった悪質なダイビングショップがあると分かった以上
注意喚起も含めて、今回こういった記事を書きました。
せっかくスキューバダイビングを楽しみに数日、いや数ヶ月も前から友達と計画を立て
今回のダイビングツアーに参加されたことだと思います。
にも関わらず、大好きな海で若い生命が失われたことが非常に残念でなりません。
お悔やみ申し上げるとともに、この記事を一人でも多くの方に読んでいただき
ダイビングショップの選び方にも参考にしていただければ幸いです。
ダイビング中にもし遭難してしまった時のために、あると超便利なアイテムをご紹介します。
1、ホイッスル
声だけではなかなか聞こえません。
海上で笛の音はあり得ないので、何かがおかしいと付近を捜索している方に
気づかせることができます。
BCDのポケットに入れ、Dリングと結んでおきましょう。
2、ダイビングミラー
太陽の光を鏡に当て、漁船などの方に自分の位置を知らせます。
遠くから自分の居場所を教えるために最適なアイテムの1つです。
こちらもBCDのポケットに入るサイズで邪魔にならないもの。
常に携帯して欲しいものです。
3、フロート
こちらも安全装備にはかかせないアイテム。
オクトパスからエアーを送り込んで展開させ、自分の居場所を常にアピールさせることができます。
トラブルが発生して初めて使うのではなく、実際に使ってみて
いざとなったら焦らずに使えるようにしておいた方がいいですね。
4、ダイビングライト
今は昔と違って、スキューバダイビングで使用できるライトは安価になりました。
僕自身も実際こちらのメーカーの物を使用していますが、安価にも関わらず十分信頼できます。
これ1本で通常のファンダイビングはもちろん、ナイトダイビング、遭難時、災害時にも役立ちます。
また付属で21700の充電池と専用充電器も付いていますし、18650の充電池をお持ちの方は
付属でアタッチメントが付いていますので流用できます。
5、カレントフック
特に流れのあるポイントの場合は、あった方がいいアイテムの1つです。
岩に必死にしがみつくだけでストレスと体力の消耗になります。
特に写真や動画を撮る方は、このカレントフックがあれば両手がフリーになるので撮影しやすくなります。
スパイラルコイルタイプがありますが、流れが強まったり、弱まったりするポイントではビヨンビヨンなるし
耐久性が悪いので、僕はロープタイプを使用していました。
常にBCDの中に忍ばせており、Dリングに取り付けて使用。
使わなくなったら、とりあえず丸めてBCDに入れておき、ダイビングが終わったら塩抜きして乾燥させ
かさばらないようにまとめておけばOKです。
6、ダイビングナイフ
僕は必要と感じたことがなかったので、携帯していませんでしたが
必要と感じる方は携帯しておいてもいいかと思います。
7、マーカー(海面着色剤)
一時期は販売していましたが、今では見かけることはありません。
お客さんがマーカーをBCDに入れていて、エントリーしてパッと振り返ったら
バスクリンのような黄色いケムリ?がバンバン出ていたことがあります…。
エントリー直後だったので、僕がBCDから取り出し、ケースをアンカーにくくり付け
ツアーを行ったのですが、ビックリするくらい辺り一面バスクリンでした…。
万が一、遭難しても海面で放てば分かるくらいアピールできるものですが、僕の体験からはオススメしません。
完全防水タイプで、水圧に耐えうるものであればいいかもしれませんが…。
新米猟師よりより
狩猟歴3年目の兼業猟師で週末猟師。
元スキューバダイビングのインストラクターで潜水士。
前世はポリネシア人の漁師らしい。
YouTubeチャンネルJIMNY 4 LIFEにてJB64ジムニーの紹介動画や
狩猟、釣り(主にカヤックフィッシング)、キャンプの映像を配信中。
ブログ、Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSでも情報を配信。
夏はカヤックフィッシングやキャンプ、秋口〜春先にかけては主にイノシシの有害駆除の様子を
自身のYouTubeチャンネルで配信。
だが、全く法律違反していないのに誰かが通報し、警察署へ呼び出され
そのことをYouTubeで言って、記事を書いたらバズる。
先日有料級の記事を書いたらえらく好評だったので、シリーズ化したいと思ってる。
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趣味はプロレス観戦。
好きなプロレスラーはケンドーカシンなどのマスクマンや、グレートムタなどの怪奇派レスラー。
猟犬カシン
令和元年11月22日生まれで今現在1歳8ヶ月のオス。
(2021年7月現在)
よくラブラドールレトリバーに間違えられるが
父に実猟系の紀州犬、母に日向犬を持つ純和犬。
名前はプロレスラーのケンドーカシンに由来する。
普段は人や飼い犬に対してフレンドリーな性格を持つが
イノシシを前にすると勇猛果敢に吠え立て突っ込み、場外乱闘を得意とする。
そのため常に生傷が絶えない。
今年(令和3年度)の活躍に期待。
YouTubeでのカシンの成長記はコチラ!
猟犬見習いタイガー
令和3年2月2日生まれ。
(正式な誕生日は分からないが、大体このくらいだろうとしている)
保健所がかけた罠で捕獲され、殺処分のところを引き取り
猟犬見習いとして飼育、訓練中。
名前の由来は息子の意見を採用し、タイガーマスクからタイガーと命名。
だが、筆者は勝手にタイガージェットシンから由来と決めつけているが
第一希望であったブッチャーにしておけばよかったと後悔している面もある。
好き嫌いは全くなく、とにかく食欲旺盛。
スワレ、オテ、オカワリ、フセ、ゴロン、呼び戻しはほぼマスター。
来期(令和3年度)デビューの予定なので、箱罠にイノシシがかかり次第、単犬であててみたいと思っている。
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