イノシシ対策として、『ある意味』興味深い試みをしていることをご紹介します。
山口県内各地でイノシシによる農作物への被害が後を絶たない。下関市豊浦町川棚の「杜(もり)の庭園 リフレッシュパーク豊浦」でもバラ園やコスモス畑が荒らされており、なんとか撃退しようとユニークな取り組みに挑戦した。イノシシは肉食獣を恐れると考え、美祢市の秋吉台サファリランドからトラやライオンのフンを提供してもらい、同パーク周辺に散布。専門家からは「においにはすぐ慣れてしまう」と言われて効果は期待できないが、同パークでは「鳥獣被害対策に楽しく取り組み、被害が少しでも減れば」と話す。【大坪菜々美】
県農林水産政策課によると、県内のイノシシによる農林業被害額は2020年度だけで約1億8900万円に上る。被害額は減少傾向にあるが、農作物を守るために防護柵などで対応しなければならない状況は続いている。
リフレッシュパーク豊浦では21年6月、約260本が植えられたバラ園が被害にあった。イノシシがミミズを食べるために土を掘り返してバラ園が荒らされたという。また、パークの魅力といわれる約3万平方メートル、100万本のコスモス畑では同7月、イノシシが体を土にこすりつけるために転がった結果、50センチほどに成長していたコスモスの一部が倒された。
被害に頭を悩ませていた庭園長の国司淑子さんは、友人から「トラやライオンのフンはどうか。においで追い払えるかもしれない」との提案を受け、すぐにサファリランドの池辺祐介園長に相談。池辺園長は「一定の効果はあると思うが、一時的だろう。しかし、楽しむことで地域づくりにつながれば」と、普段は譲渡しないフンを特別に分けてくれた。
同9月上旬にトラとライオンのフン約40キロをもらった国司さんは自ら「糞闘記(ふんとうき)」と名付けてイノシシ撃退に挑戦。2週間の間隔を空けて交互にトラとライオンのフンを各3回にわたって、同パークが管理する土地でイノシシが通るとみられる獣道にまいた。さらに地元の猟友会に協力を仰ぎ、わな猟師歴約30年の植村正文さん(78)に箱わな1基を設置してもらった。
◇1カ月で7頭捕獲
糞闘記を始めて1カ月で計7頭を捕獲。思わぬ成果にスタッフ一同で喜んだという。イノシシの捕獲を聞いた池辺園長も驚き、「猟師との連携がうまくはまったのでは」と推測する。一方、フンをまくことについて日本動物園水族館協会(東京都台東区)の担当者は「一般論だが、警戒心を強めて立ち寄らなくなったりする事は考えられる」とした上で「本能的に肉食動物のにおいが嫌いでも、何も起きなければ大丈夫と学習し、慣れてしまう」と話す。
リフレッシュパーク豊浦では現在、イノシシの被害はないという。国司さんは「被害に遭うと落ち込み、暗い気分になってしまいがちだが、『糞闘記』は被害を笑いに変えてくれる。花をスタッフや地域のみんなと守るためにも楽しみながら鳥獣対策をこれからも考えていければと思っています」と話す。
僕は専門家ではないですが、今までの経験として記事中の肉食獣の臭いに慣れるというより
むしろそのフンが、トラやライオンといったヤバイ肉食獣ということ自体を知らないので無問題
というのが僕の意見ですね。
例えば、福岡県北九州市小倉南区に安部山公園という桜の名所があります。
その一帯は住宅地に近いということもあり、自然豊かで鳥獣保護区というのもあって
罠以外でのイノシシやシカの捕獲は禁止されています。
そんな中、この公園で問題になっていることの1つに、イノシシへの餌やりがあります。
これは昔からそうで、その公園付近に棲むイノシシは全く人を恐れません。
それが皮肉にも、獣害を減らしていることに繋がっているんですが
そこで交配、繁殖したイノシシで、いわゆる縄張り争いに敗れたイノシシが
山伝いに小倉北区、門司区に流れて各地で被害をもたらせています。
この動画でもご紹介したと思うんですが、一般的にイノシシは縄張りを持たないと言われていますが
それはあくまで個体によって変わるだけで、中には執着する個体もいます。
安部山公園一帯のイノシシは人間を恐れませんが、各地に散らばったイノシシは人間を
時には猟犬をも恐れます。
それは本人(本猪)が過去に怖い経験をしたから。
もしくは親、兄弟、子が酷い目にあったから。
ですので、狩猟、有害鳥獣駆除をする際は、音や臭い、特に歩く道などに気をつけて
シガキ(マチ、タツ、撃ち手)に着きます。
話を戻しまして
トラやライオンに酷い目に遭った経験があり、猛獣のフンがあればヤバイと思い警戒するでしょう。
ですが、フンを見かけても、それが何のフンか分からないので効果は期待出来ない
といったところです。
いやいやDNAに恐怖が刻まれているから効果はあるだろう!
そういった意見も分からなくもないですが、日本におけるイノシシの天敵はクマだけでして
そのクマも反撃される恐れのあるイノシシを捕獲するよりは、よりイージーなシカや小動物を狙う方が
効率がよく、ニホンオオカミが絶滅して以降、事実上、天敵はいないと考えられています。
そんなニホンオオカミも明治時代、約100年前に絶滅していると言われていますから
イノシシからすると20〜40代以上前。
人間で換算すると江戸時代の記憶がないように、イノシシにとっても肉食獣に襲われたという
記憶がないと考えてもいいと思います。
ですが、前述しました通り、これはあくまで僕の意見であって実際は効果があったかもしれませんし
記事中にもありますように、効果が期待できるできないは置いといて
糞闘記ということで楽しみながらイノシシと向き合い、有害鳥獣への理解を深める
といったことに関しては、大きな効果はあったと思いますね。
不謹慎だなどと言って叩く方もいらっしゃいますが
楽しみながら向き合うことは非常に大切なことだと思います。